「唎酒師に興味があるけど役に立つか知りたい」「具体的な活用方法を詳しく知りたい」
そんな方も多いのではないでしょうか。
本記事では、巷で噂の唎酒師は意味ないと言われる理由と具体的な活用事例について詳しく解説します。
15名の唎酒師への取材をもとに「唎酒師は本当に役立つ資格なのか?」についても迫っていきたいと思いますので、ぜひ最後までお読みください。
唎酒師は意味ない?そう言われる理由とは?
唎酒師は意味ないと言われる理由は以下の通りです。
それぞれ詳しく解説します。
理由1.収入アップに繋がらない
唎酒師は意味ないと言われる1つ目の理由は、収入アップに繋がらないことです。この説に対する回答としては、取得時の目的によって収入をアップできるかどうかは変わってきます。収入を増やすことができている方に多い属性は以下の通りです。
- 会社員
- インフルエンサー
- 経営者
- フリーランス
会社員から経営者まで資格取得の中で得た日本酒の知識を仕事に活かしています。
理由2.コスパが悪い
唎酒師は意味ないと言われる2つ目の理由は、コスパが悪いことです。具体的には、「取得に要する時間に対して資格の活用が難しい」ことです。活用から逆算して資格を取得することが重要だと言えるでしょう。
理由3.年会費がかかる
唎酒師は意味ないと言われる3つ目の理由は、年会費がかかることです。唎酒師を取得すると毎年、年会費が必要になります。
- 唎酒師として名乗ることができる
- 会員限定の学習教材にアクセスできる
- コミュニティへの参加
- イベント開催/登壇
上記のような利用方法を行わない方にとっては年会費が高いと感じるかもしれません。しかし、活用方法によっては十分に元は取れると言えるでしょう。
唎酒師の取得費用と年会費は?コスパが良いのか?
唎酒師の取得費用と年会費は?
唎酒師の取得費用と年会費は以下の通りです。
一般会員の場合、初年度の入会金は19,000円(税抜)、認定料22,727円(税抜)、初年度の年会費は14,455円(税抜き)となります。
一般会員になることで資格の認定・公認を受けることができます。
唎酒師のコスパについて
唎酒師のコスパ(費用対効果)について一言でいうと、どのような目的で資格を取得するのかが重要なポイントです。
資格を有効活用できている方の特徴として、取得前に具体的な活用方法をイメージできているということがあります。記事の後半では15名の現役唎酒師による活用事例を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
唎酒師の年会費を払わない方法3選
唎酒師の資格を保持し続けるためには毎年、年会費を払う必要があります。しかし、年間費を払わない方法もいくつか存在します。その方法は以下の通りです。
それぞれの詳しく解説します。
1.休会する
1つ目の方法は、休会することです。唎酒師を取得すると最大3年間、FBO認定会員を休会することが可能です。FBO会員とは唎酒師の資格取得後に所属できる会員のことを指します。休会制度を活用することで、日本酒関連の活動から離れる場合などに年会費を払う必要がなくなります。しかし、休会期間に唎酒師資格の公認・認定を受けることができなくなるため注意が必要です。また、3年の間であればいつでも復会することができるため安心です。
参考:休会制度について
2.退会する
2つ目の方法は、退会することです。年会費が負担に感じられる方は、FBO認定会員を退会することが可能です。しかし、これまでに認定されていた唎酒師等の資格は全て失効してしまうため、注意が必要です。資格を活用できない場合、まずは休会を検討し、最後の手段として退会を決断することが大切です。
3.再入会する
3つ目の方法は、再入会することです。万が一、FBO認定会員を退会してしまった場合、過去に認定されていた資格に限り、1資格3500円で再認定を受けることが可能です。再入会に必要な費用として、入会金19000円、年会費15900円、再認定料3500円の合計38400円が発生します。仕事で資格が必要になった方は、再入会を検討すると良いでしょう。
参考:再入会について
唎酒師の活用事例15選
唎酒師の活用事例は以下の通りです。
- 唎酒師×執筆家:藤代あゆみさん
- 唎酒師×カウンター割烹:佐藤ひろこさん
- 唎酒師×酒販店:北山秀人さん
- 唎酒師×フレンチレストラン:川人麻世さん
- 唎酒師×WEBライター:渡邉彰大さん
- 唎酒師×会社員:ワタナベイナリさん
- 唎酒師×日本酒バル:和田雄磨さん
- 唎酒師×モデル:史衣さん
- 唎酒師×占い師:オラシオン優子さん
- 唎酒師×製薬会社MR:三星マイコさん
- 唎酒師×フードスタイリスト:鈴木理乃さん
- 唎酒師×気象予報士:土井邦裕さん
- 唎酒師×キュレーター×松井かおりさん
- 唎酒師×会社員:齋藤太郎さん
- 唎酒師×アナウンサー:石川奈津紀さん
それぞれ詳しく解説します。
事例1.唎酒師×執筆家:藤代あゆみさん
資格取得のきっかけ
シンガポールで偶然出会った方が唎酒師でした。当時日本食カフェの運営をしていたときに唎酒師の試験について紹介されたことがきっかけです。ソムリエに対して漠然とカッコイイと感じていたこともあり、受験を決意しました。
資格取得後の変化
肩書きが手に入ったことで自信が付きました。また、日本酒を販売する際にお酒についてお客様に対して詳しく説明できるようになりました。お客様1人1人に合わせた的確な提案ができるようになったと感じています。
広がった活躍の幅
資格を取得したことで、現在の活動に繋がっていると感じます。また、資格を持つことで日本酒についてどれだけ詳しいのかを証明できるのが良いと思います。現在は、日本酒をカルチャーにしたいという使命感を持って唎酒師向けに記事の執筆を行っています。
事例2.唎酒師×カウンター割烹:佐藤ひろこさん
資格取得のきっかけ
飲食業界で働く際に日本酒のプロになるために資格が必要だと感じました。また、日本酒自体は好きだったものの、提供に関する知識がないと思っていたため、今の自分に1番必要な資格である唎酒師を取得することに決めました。
資格取得後の変化
日本酒の知識が身に付いたことで、自信をもってお酒を提案するだけでなく、お客様の会話内容も理解できるようになりました。また、唎酒師になったことにより人に信頼してもらいやすいと感じます。
事例3.唎酒師×酒販店:北山秀人さん
資格取得のきっかけ
日本酒について自己流だけではなく、体系化された理論を学びたいと思ったためです。
資格取得後の変化
試験はテイスティング量が非常に多く、とても良い経験となりました。現在は10年以上酒屋で働いているのでテイスティングにも慣れましたが、当時はテイスティングの機会も多くなかったため、試験内容にも満足しています。
資格取得のメリット
唎酒師というネーミングが世間的に認知されているため、会話のきっかけになると感じます。また、資格を通して違う業界の人と知り合うきっかけにもなりました。大きな声では言えませんが、芸能人と知り合うこともありました。
事例4.唎酒師×フレンチレストラン:川人麻世さん
資格取得のきっかけ
もともと発酵食品が好きでした。その後、飲食業界に転職した際に日本酒と関わるようになり、何も知識がないままお客様に対して日本酒を提供するのは難しいと感じたため、資格を取得することにしました。
資格取得後の変化
働いているお店では、ワインがメイン料理でしたが、日本酒の知識を活かすことでシェフが料理をアレンジしてくれました。その結果、もっと日本酒について勉強したい、もっと日本酒の良さを広めたいという使命感が生まれ、仕事への取り組み方が明確に変わったと感じます。
資格取得のメリット
自己紹介で唎酒師という肩書を活用できることです。また、お店の方が他の人には話さないようなことを教えてくれることも多いと感じます。そのほかにも、お客様に対してペアリング提案を行う際にアイデアが出てくるようになりました。
事例5.唎酒師×WEBライター:渡邉彰大さん
資格取得のきっかけ
日本酒に対しての専門性が欲しいと思い、取得を決めました。また、第三者への専門性を簡単に証明できるものであるとも思いました。元々日本酒が好きだったこともあり、Webの仕事と趣味の日本酒が交わっていきました。
資格取得後の変化
会員向けのコンテンツが充実しているため、資格取得後にもスキルアップを行うことができます。また、日本酒の人というのが周りに知れ渡ったことで、他では得られない情報を教えてもらえるようになりました。そのほかにも、日本酒関連のイベントにも呼ばれるようになりました。
資格を活用した仕事
Yahooジャパンでお酒とキャンプの連載をすることになりました。ありがたいことに現在は唎酒師キャンパーとして記事を執筆しています。
事例6.唎酒師×会社員:ワタナベイナリさん
資格取得のきっかけ
自分の活動にハッシュタグが欲しいと思い、資格を取得しました。また、広告の仕事を行っていましたが、それ以外にも肩書きが欲しいと思ったことも資格を取得した理由の1つです。
資格取得後の変化
資格を起点に色々な繋がりが増えました。特に、日本酒を知らない人から日本酒について詳しく教えて欲しいと言われることが増えました。その甲斐もあって、サケノアルケミストという酒好きのグループを作ることができ、大きな経験となりました。
事例7.唎酒師×日本酒バル:和田雄磨さん
資格取得のきっかけ
外国人向けの観光ツアーの仕事をしており、何かしらの資格があれば自分のことを上手く伝えられると思い、資格の勉強を始めました。もともと知っていた知識と学習内容にギャップがあったことで、日本酒への関心が深まりました。
資格取得後の変化
自己紹介の際に日本酒のエキスパートとしてアピールできるので外国人にも伝わると感じます。また、日本に観光で来る方は日本酒について教えて欲しいと思っているため、資格を有効活用することができています。
事例8.唎酒師×モデル:史衣さん
資格取得のきっかけ
当時のマネージャーにモデル業に活かすために何か資格を取得しないかと言われたことがきっかけです。もともと日本酒が好きだったこともあり、資格の勉強を始めることにしました。
資格取得後の変化
資格を取得することで自分の発言に対しての説得力が出ました。また、酒蔵からうちのお酒を飲んで欲しいという依頼が来るようになりました。そのほかにも、酒蔵に行くとコアな人や情報に出会うことができることも嬉しい変化です。
資格取得のメリット
資格を取得することによって日本酒が好きなことに対しての説得力が生まれたように思います。また、日本酒を含んだフェイスパックの製造会社から、自社商品を使ってほしいというお声がけをいただくなどお仕事にも繋げることができています。
事例9.唎酒師×占い師:オラシオン優子さん
資格取得のきっかけ
経営者である師匠に日本酒学講師の資格を勧められて、その資格を取得する前段階で唎酒師が必要でした。たまたま兵庫県姫路市の日本酒をPRしたいと思っていたところに資格を紹介されたため、取得を決意しました。
資格取得後の変化
試飲会などのイベントに参加した際に話のきっかけになると感じます。また、お酒を成分などを意識して飲むようにもなりました。そのほかにも、自分の発言に対してプロ意識を持つようになりました。
資格取得のメリット
日本酒関連の求人案内やイベント募集に応募できるようになりました。また、本業である占いの仕事に日本酒を活用できるようになりました。
事例10.唎酒師×製薬会社MR:三星マイコさん
資格取得のきっかけ
製薬メーカーで医者を相手に仕事をしていました。その際、日本酒の話をすると非常に喜ばれたこともあり、資格を取得することにしました。
資格取得後の変化
自分の日本酒に対しての好みがわかるようになりました。また、友人から日本酒について色々と聞かれるようになったことで、もっと日本酒の知識を深めたいと思うようになりました。
資格取得のメリット
シンプルではありますが、日本酒についての知識が広がったと感じます。また、唎酒師を持っている方と繋がることができたり、セミナーを開催できるようになりました
事例11.唎酒師×フードスタイリスト:鈴木理乃さん
資格取得のきっかけ
日本酒の美味しさの根源について詳しく知りたいと思い、取得を決めました。
資格取得後の変化
自信をもってお酒にあった料理の提案をすることができるようになりました。また、資格を取得したことで人前で話す機会が増えたり、唎酒師について発信することで新しい交流も生まれました。
資格取得のメリット
撮影の場で唎酒師というのを伝えると撮影がスムーズに進むと感じます。
事例12.唎酒師×気象予報士:土井邦裕さん
資格取得のきっかけ
酒処である福島に4年住んでいた際に、日本酒に触れ、日本酒の知識を深めたいと思い、資格を取得しました。
資格取得後の変化
年が離れた方との出会いが増えました。また、本業が気象予報士ということもあり、天気によって農作物への影響を解説できるようになりました。そのほか、四季を楽しみながら日本酒を飲むようになりました。
事例13.唎酒師×キュレーター×松井かおりさん
資格取得のきっかけ
趣味の日本酒を将来的に仕事に繋げられないかと思い、取得を決めました。また、あまり大きな声では言えないのですが、日本酒が好きなので資格を勉強することで日本酒を飲む口実になりました(笑)
資格取得のメリット
日本酒の有名なお店にも気軽に入れるようになりました。また、本業であるアートと日本酒を組み合わせたペアリングの仕事を始めるきっかけになりました。単に日本酒が好きなだけでは説得力がないものの、資格があることで説得力が生まれると感じています。
事例14.唎酒師×会社員:齋藤太郎さん
資格取得のきっかけ
自分の主観的なものではなく、正しい日本酒の知識が欲しいと思って資格を取得することにしました。
資格取得後の変化
日本酒を通じて沢山の方と出会うことができました。
資格の活用方法
シンプルにお酒を飲むことが楽しくなりました。また、人との繋がりが生まれたり、イベントへの登壇依頼も来るようになりました。
事例15.唎酒師×アナウンサー:石川奈津紀さん
資格取得のきっかけ
日本酒を飲むことをもっと楽しめそうだと思い、取得を決めました。
資格取得後の変化
以前よりも「なぜこの日本酒は美味しいのか」や「どこで造られているのか」を気にするようになりました。また、明らかに日本酒の味わい方のバリエーションが増えたと感じます。そのほか、SNS経由での繋がりもできました。
資格取得のメリット
アナウンサーの仕事に唎酒師を活用できるようになりました。特に、日本酒を絡めた取材を行うことができるようになりました。資格を取得したことで、日本酒について詳しいアナウンサーということを活かして視聴者にわかりやすく日本酒のことを説明できるようになったと感じます。
唎酒師に関するよくある質問3選
1.受験の申し込み条件はありますか?
申込時に20歳であることが条件となります。 講義内容にテイスティング・酒類の知識が含まれるため、20歳未満の方は受講できません。
2.会社名で振り込むことは可能ですか?
メール(support@fbo.or.jp)またはシステムメッセージにてご連絡ください。ご連絡が無いと、ご入金確認できかねますのでご注意ください。
3.領収書をもらうことは可能ですか?
マイページよりダウンロードいただけます。方法はこちら。
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唎酒師Q&A
唎酒師は意味ないのか?具体的な活用方法:まとめ
本記事では、唎酒師という資格が役に立つのかどうかについて実際の唎酒師への取材をもとに解説しました。唎酒師は役に立つかどうかは資格を取得する目的によって変わります。どのように資格を活用していきたいのかを明確にしてから唎酒師の資格取得を行うことで、意味のある資格活用が可能になるでしょう。