飲食店編

漆畑 博子さん
認定No.030569
〼kuramae(台東区)

近くに隅田川が流れ、下町の風情が残る蔵前。近年では“東京のブルックリン”と呼ばれ、個性的なカフェや雑貨店などが次々に登場しています。2016 年にオープンした「〼マス kuramae」もその1 軒。
「夫は普段からお酒をよく飲むので経験値も高いのですが、私はお酒が強くないのです。が、店に立つからには説得力を持ちたいと思い、唎酒師の資格を取得しました」開業前に資格を取ったことで、酒器選びなどの際に専門的な知識が役立ったそうです。
値段を気にせず、いろいろな日本酒を楽しんでもらえるようにと、すべて100㎖594 円均一に。全国各地より30 種類ほどをラインナップ。純米酒系を中心とし、定番は置かずに月2 〜3 回の頻度で内容を入れ替え。なるべく季節に合ったものを置くようにしているそうです。リストは都道府県別に味の説明を添えて表記されています。


長田 悠希さん
認定No.04297
居酒屋こころ(千代田区)

神田駅前には無数の居酒屋があるものの、神田紺屋町界隈までくるとまばらであり、夜ともなると人通りさびしい。そんな立地条件にありながら、常に活気づいているのが「居酒屋こころ」です。
こころの厨房とサービススタッフはそれぞれ約4 名でほとんどが男性、全員20代と、若いセンスがウリの店。サービスを務める長田悠希氏は現在28 歳。唎酒師の資格は2016 年に取得しました。
「プロとして自分の強みとなるものが欲しいと思い、元々好きな日本酒の知識を深めるべく、資格を取得しました。ビギナーとマニアックなお客様それぞれが求めるものに対応できるようになって良かったですね」
日本酒のメニューは薫酒・爽酒・醇酒のタイプ別に数種をピックアップして掲載。すべて160㎖で1,000 円以下です。
「若い杜氏など、今伸び盛りの蔵元のお酒を多く扱うようにしています。お客様への話題提供にもなりますし、フレッシュでフルーティー、なおかつすっきりとした後味で飲み飽きないなど、当店の料理やイメージにもフィットしている味わいなのが気に入っています」


益田 藍さん
認定No.029114
益や酒店(京都・御幸町通)

益田さんは元々、大阪で店舗の設計・施工会社に6年半勤務。さまざまな店のデザインを手がける中、空間を作って手渡した後の運営にも携わりたいという気持ちが増していったそうです。
「お酒全般が好きですが、一番は日本酒。日本酒ほど味の幅が広く、温度帯が変えられ、食前から食後まで合わせられるお酒はありません。この魅力を一人でも多くの人に伝えたいという思いがありました」
京都の日本酒販売店や和食店で2年経験を積み、唎酒師の資格を取得。
「日本酒ビギナーからマニアまで対応できる店でありたい。実際、さっと飲んで帰られる方もいれば、がっつり食事を召し上がる方もいらっしゃいますし、女性一人でカウンター、スタンディングでは外国の方が多いです。比較的、2軒目使いで9時以降の来店が多いので、今後はいかに1軒目使いの店にしてもらえるかが課題ですね」

酒販店編

川島 太さん
認定No.037564
青山三河屋川島商店(港区)

お洒落なブティックやインテリアショップ、カフェなどが軒を連ねる青山通り沿いにある「青山三河屋川島商店」は1901(明治34)年創業、一帯で最も古い酒屋です。
「当時は食品や雑貨なども扱う店でしたが、スーパーマーケットやコンビニエンスストアと競合しても意味がないと思い、酒屋として原点回帰し、自分で厳選した酒を揃えるスタイルに変えました。コンセプトは“和酒のセレクトショップ”で、ジャンルを問わず国産の酒にフォーカスを当てた品揃えにしています」
日本酒は季節感や新しいものが求められる傾向にあるため、定番商品は1 割程度にし、9 割は頻繁に入れ替えています。
「取引をする酒蔵は決して多くはありません。その分、1 軒1 軒の社長や杜氏と家族のように深いつき合いをしています。とはいえ、彼らが造る日本酒はあくまで一つの製品として客観的に見た上で、扱う商品を選ぶようにしています」
買い物客が多い場所柄、一般客の利用が6 割で、飲食店への卸しは4 割。店頭を訪れるお客様には、好みの味の他、どんな料理と合わせて飲むのかも聞きながら商品をすすめるようにしているそうです。


鴨志田 知史さん
認定No.015565
三ツ矢酒店(杉並区)

西荻窪駅が開業したのは大正11 年のこと。その4 年後の大正15(昭和元)年に、南口から徒歩3 分の場所に三ツ矢酒店は誕生しました。この界隈で現在まで残る商店としては、おそらくもっとも古い店のようです。
鴨志田氏は銀行員を3 年勤めた後、2001年より三代目に就きました。学生時代から店の手伝いをしてきましたが、改めて日本酒を学ぶにあたり、’02年に唎酒師の資格を取得しています。
1999 年に新装した店は、ガラス張りのスタイリッシュな建物。入口は2 階まで吹き抜けで開放感があります。手前にワインやシャンパンなどを華やかに展示、奥に進むに連れて焼酎そして日本酒と配置されています。
2 階は地域の方たちのためのコミュニティスペースの他、蔵元との懇親会や試飲即売会なども開催。漫画家で日本酒に造詣の深い高瀬斉氏による講座は新装当初から今まで続いています。
「うちは、企業ではなく家業。偏らず、お客様のご要望の品を適正価格で、というのが家訓です。創業100 年に向けてこれからも地道にコツコツ商いをしていきたいと思います」。


浅沼 芳征さん
認定No.042542
リカーポート 蔵家(町田市)

代表を務める浅沼芳征氏は、広告代理店の電通に20 年間勤務した後、2013 年に家業を継いだ異色の経歴です。
「当初は、いわゆる町の御用聞きの酒屋でしたが、海外研修旅行で父がワインに目覚めて力を入れるようになり、それならばと母は日本酒を担当、1994年には唎酒師の資格を取得しています。片方がワイナリーあるいは蔵元を回っている間、もう一人は店を守るといった感じで、家族が揃うことは少なかったですね。私は広告の仕事が刺激的で楽しく、店を継ぐつもりはありませんでしたが、長年勤務してくれているスタッフの存在や、彼らや両親が築いてきた、お客様との信頼関係などを客観的に眺めているうちに、この店を存続・発展させていくことに強い魅力を感じまして」
「洋酒が専門担当の人であっても、唎酒師を取ることで、多角的な目線が養えると思います。チームワークを大切にしながらも、お客様から個人指名されるような店が理想的ですね」